ふさふさラジオ

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IT業界の『未経験者歓迎』の意味

 ネット上で「IT業界への転職!未経験者歓迎!めざせエンジニア!」というような求人広告を見かける。これの真実を書きたいと思う。

そもそもエンジニアって何をする仕事?

今回はシステムエンジニア(SE)に絞って書きます。SEの仕事を一言でいえば「システムを開発する」ことだ。もう少し細かくいうと

  • 要件を決めて
  • 設計して
  • プログラムを作って
  • テストして
  • 世の中の人に使ってもらう

これらを未経験の人が一朝一夕にできるか。私は不可能だと思う。作業のイメージすらつかないことがほとんどではないでしょうか。

ではなぜ未経験の人を集めようとしているのか。

実は未経験でもできる仕事があるからです。テストをする人、つまりテスターです。

テスターがなぜ未経験でもできるかというと、エクセルが使えればできる仕事だからです。何をするかというと、ひたすらテスト仕様書通りに操作をして結果をエクセルに貼り付ける。これもIT業界の仕事です。昨今のシステム開発ではテストを自動化するのが当たり前になってきていますが、とにかく人の手をかけて大量のテストを実施するのが正しいという考えの現場がまだまだたくさん残っています。そういった現場にいきなり派遣されるのです。

ただし、残念ながら上記のような現場で仕事をしてもエンジニアとして成長するのは難しいと思います。雇った会社からすれば現場に派遣することで1人あたり1ヶ月何十万という売上になるので、とにかく頭数が欲しいのです。本音を言えば社員の成長なんて考えていない。どこでもいいから現場に捻じ込めれば良いと思っている会社も本当に多いです。

その為に「未経験でもOK!人気のIT業界への転職!」などと言って人を集めているのです。

とはいえ全てがそんな会社じゃない。ポテンシャル枠採用がある。

未経験の方でも本当に成長させる気がある会社も稀に存在します。その一つとしてポテンシャル枠での採用というものがあります。即戦力を求めるのではなく、人柄や成長見込みを評価して採用しするやり方です。

現場に社員を派遣する会社ではなく、自社のシステムを開発するWEBエンジニアに多いですね。ただし求められるハードルは高いです。こちらの未経験者歓迎にも隠された意味があります。
「未経験でも受け身ではなく自主的に勉強していて、今後も新しいことを自主的に身につけていく意欲がある方大歓迎!」という意味です。目に見える経歴や技術力を評価するわけではなく、将来性が採用基準になるので、もちろん狭き門になります。

もとより一度技術を身につけたらやっていける職種ではありません。常に新しい技術を収集して必要なスキルを身につけていくことが求められる職種です。例えば10年前にPS3のゲームを作れる人は需要があったと思いますが、PS5が出ようとしている現在になってPS3のゲームしか作れなかったら需要がないことはわかりますね。

IT業界への転職に必要なもの

日々新しい技術が生まれる業界です。そのスピード感についていく為に一生勉強する覚悟のある方はぜひ転職を考えて観てください。その際に気をつけることは先にあげたような「社員の成長を会社が後押ししてくれるか」が良い会社かどうかの判断基準になります。面接時に新入社員の成長カリキュラムやロードマップを会社側が提示できるか質問してみるのもよいかもしれません。